色のある声
(10/11)
まず、「悲しいほど青く」は相当の名曲である。張り詰めた空気に純度の高い歌とメロが存分に聴ける、一つの決定打だったと思う。 清浦夏実は大人びている。とても19歳とは思えない声色の使い分け方。を、存分に堪能できる1stアルバム「十九色」。 そのタイトルに違わず、とてもバリエーション豊かな楽曲たちが詰まっていて、全体を通して色彩豊かなアルバムになっている。 シリアスで力の籠もった楽曲から伸び伸びと聴ける柔らかなポップス、ディープなバラードまで幅広いタイプの楽曲を 実に器用に、それでいてどの曲も彼女色に染め上げられている。そういう歌い方をされている。 正直、一枚目にしてきちんと名盤と呼べる出来のアルバムになったと思う。 面白いのは、様々な作家から提供を受けているのだが、どの曲も彼女に合わせて作られたというか それともそういう楽曲を彼女自らが引き寄せているというか、なんとなくそういう雰囲気がある。要は芯がしっかりしている。 「旅の途中」と「僕らの合い言葉」は同一人物が歌っているとは思えないほどギャップがあるし、 「アノネデモネ」と「銀色の悲しみ」はそもそも音楽ジャンル自体が違う。 しかし、実際はどの楽曲もきちんと清浦夏実なのである。この才能というか歌いこなしは素直に凄いと思えた。 で、そんな彼女が歌いこなす楽曲の数々は元からして質のいい楽曲ばかり。これで良くないはずがない。 どの楽曲もポップスとしていちいち秀逸、好きな曲を挙げる必要がないくらいの粒揃いのアルバム。最後の石川セリのカバーも思ったより出来が良くて驚き。 個人的には「銀色の悲しみ」のギターポップ調のサウンドや「虹色ポケット」「僕らの合い言葉」の適度なアップテンポ感とかもツボでした。 「パレット」の大人っぽさも中々に素敵。 添加物のない純粋なポップ・ミュージックを求める人にはうってつけの一枚だと思う。それくらい良かったです。末永く聴けそうな一枚。 (2010-02-23)
まずは名刺代わりの一枚。
(4/5)
「ケロロ軍曹」のED「僕らの合言葉」にヤラれたのでそういう曲が多いのかなと思って買ったけど見事に裏切られた。もちろんいい意味で。一曲目の「十九色」はほとんどピアノとフルートのバッキングだけで構成されているとは思えないスケールの大きな曲。不思議と「和」テイストを感じるメロディライン。えーインストなのか(歌詞カードを見てなかった)と思ったら最後にちょこっとだけVo.が出てきて安堵した。岡村靖幸の「あばれ太鼓」は一曲目なのにインストでのけぞったことを思い出してしまう。今どうしてるのかな。三曲目の「アノネデモネ」は友情以上恋愛未満の女の子の揺れる想いをさらっと描いていてなかなか秀逸。楽曲もチャーミングだけど詞をもう少し短くまとめられるともっと映像的になったか。そして、このアルバムの肝というべき八〜九曲目。「パレット」のジャジーさに唸る。コーコーヤとの組み合わせも相性がいい。ビブラフォンの音色もフルートを引き立てていて最初に耳をそばだてた一曲。「風さがし」もというだけにブラジリアン・フレーバーがここかしこに。彼女はボッサやジャズもさらっと歌えて後に残らない。こういう曲が実は歌えそうでなかなか歌えない。やろうと思えば何でもできそうな雰囲気も漂う。最近の女性シンガーはR&B/ソウル・ヒップホップは歌うがジャズやBPMは滅多に出てこなかったのでこういうところが最近目立たないがとても新鮮だ。アニメの主題歌やCMタイアップに頼らないでこういう曲で構成されたアルバムを聴いてみたいものだ。アルバム全体としては振幅も大きく総花的にやれることは全部やりました、となるのは否めないが次作では是非もう少し枝葉を刈り込んで「清浦夏実」という花を際だたせるようにお願いしたい。 (2010-02-28)
全般としてはすばらしいのですが・・・
(2/2)
書かずにいられません。やさしく、繊細で、素朴。どこまでも伸びていくように広がる声。すばらしき才能を秘めた19歳。それぞれの楽曲でぞれぞれの魅力を存分に聞かせてくれます。こんなに多彩な歌い方が出来る人だったのかと再認識しました。でも、こんなにいいアルバムなのに、なぜ?。「旅の途中」だけ、なんでこんなに録音が悪いの?一番いい音で聞きたかった曲だけに本当に残念です。 (2010-03-04)






